芸術家を志していたクリスチャン・ディオールのファッションデザイナーとしてのデビューは意外に遅く、1946年40歳を迎えたときのこと。コットン王のマルセル・ブサックをスポンサーに、パリ・モンテニュー通り30番地に長年夢を見てきた「クリスチャン・ディオール・オートクチュール・メゾン」をオープンさせたのが始まり。翌年に初めてのコレクションを発表。細くくびれたウエスト、美しくシェイプされた豊かな胸、そしてたっぷりとしたロングスカートドレス…。モードの歴史を変えるほど衝撃的なデビューを飾りました。
後に雑誌「ハーパース・バザー」の編集長が「ニュールック」と命名。以来、Aライン、Yライン、Hライン、チューリップラインなど歴史に残るシルエットを次々に発表しつづけ、「モードの王」として君臨しました。
ファッション界にデビューした翌年、香水の分野にも進出。それまでの濃厚な香りではなく、斬新なフレッシュフローラルブーケの香水「ミスディオール」を発表。50年以上たっても色あせないモダンな香りは今でも人気があります。
絶頂期にあった1957年に、クリスチャン・ディオールは52歳の若さで心臓発作のため亡くなり、彼の右腕として活躍していたイヴ・サンローランがあとを継ぎました。
その後、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレと引き継がれ、1997年からはジョン・ガリアーノがデザイナーとして君臨しています。ガリアーノがデザインするディオールはドラマティック、フェミニン、そしてとてもロマンティック。